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■ 美味しい野菜を育てる基礎的な知識 
         
(肥料の基礎知識)
窒素・リン酸・カリを肥料と呼んでいることが多いのですが、肥料とは主に窒素肥料のことを指します。窒素分は野菜を成長させる主役です。
窒素分が一番多いのは化成肥料で、次に多いのは蓄糞(リン酸も多く含む)です。
米糠・油粕も窒素分は多く、カリュームも多く含んでおります。
ざっと言いますとこれらの肥料は即効性が高く野菜の成長を促します。
ただ、問題なのは急成長しがちで、野菜を支える基部(主根やひげ根)は大きく育たず、茎は急成長した分、細く伸び、繊維が強くならないと倒れてしまいます。葉っぱや実も薄くなります。→肉が薄く繊維質の野菜は歯切れが悪く、何時までも口に残ります。
 
(野菜の生理)
野菜は土中に窒素分があればあるほど全て吸収しようとします。
野菜はミトコンドリアと言う成長酵素が土中の窒素分と呼応して増え続け、成長し続けます。つまり、土中の窒素分があり続ければ収穫まで成長し続けることになります。
野菜の体内には炭水化物とデンプンが増え続けます。デンプンは苦いのです。
→窒素過多土壌で育った野菜は甘みも無く苦みやえぐみを感じます。
 
(完熟野菜とは)
むかしの農業者はよく「窒素を切る」と表現します。
野菜は窒素分によって成長しますが、窒素分が土中に減ってくると生き残りたいために体内に蓄積したデンプンなどを分解して糖分とビタミンに変換し、それを栄養源として吸収し自ら生き残ろうとします。芋類や果実類の追熟と同じ原理です。
これを完熟野菜と言います。→糖分やビタミンなど栄養価の高い野菜の収穫となります。
 
(硝酸態窒素は毒素)
野菜に取り込まれた窒素分は硝酸態窒素と言う形になり、さらにイオン化し、野菜を成長させます。窒素過多土壌で育った野菜(穀類も同じ)にはイオン化しなかった過剰な硝酸態窒素が残され、さらには土壌の地下まで浸透し地下水汚染に繋がります。
これは毒素です。→除草剤・分解しなかった農薬などと同じく人体には危険なのです。
 
 
■ 草木を使った自然栽培 
 
草木堆肥は土を育て、育った土が野菜を育てる。肥料は野菜を育てるが土は育てません。
「草木堆肥とは土を育てるもの」
山林には落葉が積りその下には腐葉土があります。その自然界には何が棲んでいますか?
そこには沢山のウィルス・バクテリア・菌類・微生物・小動物が棲んでいます。
かれらはそれぞれの役割があり、自然界を浄化再生しながら秩序を守り続けております。
自然栽培とはできるだけナチュラルに健全で美味しい農産物を効率よく生産しようとすることです。ありのままの自然農とはそこが違います。
草木はそのままでは中々発酵しません。そこに人為的に発酵を促す作為が必要です。
草木堆肥施肥によって微生物たちが生息する環境を調え、彼らが繁殖しながら土を肥えさせていきます。肥えた土が健全で美味しい野菜を育てます。
これは科学的な知識も無い古人達が営々と行ってきた事であり、先人達の叡智です。
化学肥料栽培や有機肥料栽培を行っている現代人はその叡智を捨ててしまいました。
 
「草木を発酵させた堆肥」
微生物等を爆発的に増殖させるのが発酵と言うことです。
かれら生命体が増殖(細胞分裂等)するにはいくつかの要素が要ります。
人も含めて生命体は細胞を形成する際に、骨格を作ったり隔壁を作ったりするにはバランスの良いミネラル分が必要です。
細胞が増殖するためには窒素分が必要です。すると成長酵素であるミトコンドリアも増殖します。こうして細胞分裂が進んでいくのです。
草木、特に葉っぱや木屑には地中から吸い上げたミネラル分が豊富にあり、バクテリア・菌類・微生物等の生命体も計測不能なほど棲んでいます。
これらの条件が重なった時、爆発的な生命体の増殖作用(発酵)が進みます。
その際のポイントは動物性の蓄糞を若干加えると、窒素・リン酸等を多量に含んでいるため、増殖作用が加速していきます。
 
「自然栽培農産物が育つ仕組み」―草木堆肥は低窒素栽培―
微生物等による肥えた土に育つには数年掛ります。その畑ですぐに野菜を育てていくには窒素肥料を足してやることが必要です。→化成肥料の併用
草木には、小動物・微生物・菌類・バクテリアなどが棲んでおり、土中に施すと彼らの餌となり、繁殖しながら土を育てているのです。
同時に葉っぱに含まれたミネラル分を土壌に補給していることになります。
彼らは共生し、淘汰を繰り返し生き死にしながら、糞やその命そのものが野菜の肥料となっていきます。これが自然循環農業なのです。
これを10年、20年と続けているのがむかし野菜の自然栽培であり、年々、土が肥えて
いき、安全で・健全な・栄養価に富んだ美味しい野菜を生み続けていきます。